『妄虎千夜一夜物語』

 「妄想は忘れた頃にやってくる」
 「助っ人は忘れたほうが丁度いい」
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シーズンが開幕して、リアルなタイガースの前にしばし妄想は霞んでしまうようです。 でも、そんな時も“妄想菌”はしっかり養分を蓄えているのです。いずれ訪れるかもしれない湿りっぱなしの季節に備えて、じわりじわりと……。

〜妄虎千夜一夜委員会〜

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夢十夜 第四夜 〜シャドー〜
こんな夢を見た。


「シーンA 早朝のビーチ」

早朝4時、ムーンビーチ。
小さな男はおぼつかない足取りで歩いていた。
空も海もまだ暗く、ナップ島の影も漆黒の闇の中だ。
小さな男は虚ろな目でぶつぶつと何かを呟いている。
落ち窪んだ二つの目、こけた頬の様子から、また寝付けなかったのであろうことが見てとれる。
――「おめでとう井川。 俺は恨んでなんかいないからな。 おめでとう…」

小さな男は、まだ少し痛みの残る腰をさすった。
――「俺には野球があるから大丈夫だよ。 シモさんもいてくれるしさ」

もう1時間も同じことばかりを呟いている自分に、小さな男は気付いていなかった。

誰もいないはずのビーチで、
遠くからかすかに人の声が聞こえた気がし、小さな男は億劫そうに顔を上げた。
――「あいつだ…」

あまり顔を合わせたくない男だったらしく、小さな男は椰子の影に隠れその男をやり過ごした。

…ざっざっざっざっ
――「はしれレッドスター、レッツゴーあかまつ! チャンスきーりひらーけー…♪」
                                       ざっざっざっざっ…

――「下手糞な替え歌歌いやがって。万年怪我男がすっかりレギュラー気取りだな」
――「関西人のあーいう軽いノリがむかつくんだよ!」
――「Aka-Matsu.netの写真といい昨日の撮影といい、あいつ自分で鏡見たことあんのかよ」
――(でも…。こんな時間から走ってることを見るとあいつも本気なんだな) 


――「…いつも温厚な赤星さんらしくないっすね」
いきなりの背後からの声に、小さな男は驚いて振り返った。

――「とり…。こんな時間にどうしたんだ?」
――「いや、僕も眠れなくて」
――「眠れない?レギュラー確約のうえに結婚もしてるお前がか?」
――「結婚は関係ないんじゃ…」
――「はは、そうだよな。俺なに言ってんだろう…」

――「…赤星さん」
――「ん?」
――「相談があるんです」
――「どうした?」
――「実は…」

彼は、例のトレードのことを小さな男に告げようと決意し顔を上げた。
彼はそのとき初めて、小さな男の尋常ならぬ様子に気付いた。
――(目が飛んでる…)
元々肉付きの良いほうではない顔も酷い有様だ。
2003年9月15日、子供の頃から憧れ続けた闘将・星野監督に抱きかかえられ、
子供のように顔をくしゃくしゃにして笑っていた小さな男はもうそこにはいなかった。
選手会長としての重圧、友人陣内の結婚、故障、仲間と信じていた井川の結婚、
度重なる心労で、小さな男の自我は崩壊寸前だった。
――(言えない。今あのことを告げたら、この人は壊れてしまう…)

――「…いえ、何でもないっす」
――「…そうか」
――「なんかすいません」
――「…また言いたくなったら言ったらいいよ」


――「今後10年、うちのショートはお前なんだ。頑張れよ」
そう告げると小さな男はまた、ふらふらとビーチを歩き出した。
――「おめでとう井川。 俺は恨んでなんかいないからな。 おめでとう…」  ブツブツ ブツブツ

――「赤星さん…」
彼は、自分があんな状態にも関わらず、
チームメイトのを気遣って励ましの言葉を掛けてくれた小さな男に心が震えた。

――(関西が嫌い、関西弁が合わない、関西のノリなど理解したくもない…)
――(僕は自分1人のことしか考えていなかった…)
――(僕は何てわがままだったんだ、何て甘かったんだ…)
――(監督だって金本さんのノリは認めていた)
――(やってみよう。後悔するならやってからだ!)
――(赤星さんありがとうございます。僕、やってみます!!!)

その日の夜から、彼の深夜特訓は始まった。
シャドーつっこみ、シャドーぼけ。
「何でーやねん!」「三波春夫でござーいます!」、、、、、
いつ終わるともなく…。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「シーンB ホテルムーンビーチ内『Barアクロポーラ』」

おかだ「なあしょうだ」
しょうだ「はい」
おかだ「最近のとり、おかしないか?」
しょうだ「ええ」
おかだ「今日なんかな、特守中の赤松に『そら欧米やん!』とか言うとったで」
しょうだ「さぶいっすね」
おかだ「ああ、さぶいな」


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