『妄虎千夜一夜物語』

 「妄想は忘れた頃にやってくる」
 「助っ人は忘れたほうが丁度いい」
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シーズンが開幕して、リアルなタイガースの前にしばし妄想は霞んでしまうようです。 でも、そんな時も“妄想菌”はしっかり養分を蓄えているのです。いずれ訪れるかもしれない湿りっぱなしの季節に備えて、じわりじわりと……。

〜妄虎千夜一夜委員会〜

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夢十夜 序章 〜甲子園メニュー〜
■ 甲子園球場にて

だー「ヒヤマサン…」
ひー「おう、どうした、ダーウィン」
だー「トレードニダシテモライタイ…」
ひー「え!なんでや?」
だー「…」
ひー「あ、分かった。キャンプのランチに焼きそばがないからやろ」
(注:「訳わからん」という方はこちら)
だー「ソウソウ。ヤキソバノナイキャンプナンテ、オヤツノナイエンソクミタイナモンデ…。ア、センセイ、バナナハオヤツニハイルンデスカ…ッテ、チガウワ!」
ひー「ベタやなあ、自分」
だー「関本ニオシエテモラッタンヤケド…」
ひー「あいつの言うことは聞かん方がええぞ」
だー「ソンナコトヨリ!」
ひー「スマン、トレードの話やったな。どうしたんや急に」
だー「コトシモマタ、ジャン、トカ、バーグルスントカガキタ…」
ひー「そうか、正しくはバーグルスンっていう発音になるんか。バーグルスン、バーグルスン…」
だー「マタ、ボクハ、マイナーオチヤ」
ひー「バーグルスン、バーグルスン、…いや、それは違うで。ダー」
だー「…」
ひー「俺もなあ、タラスコやらキンケードやらスペンサーやら濱ちゃんなんかとな、毎年レギュラー争いしてきたんや」
だー「…」
ひー「その都度、ライバルを蹴落としてきて、それで今の俺があるんや」
だー「『今の俺』ッテ、ビミョウナポジションッテイウ…」
ひー「殺すぞ」
だー「……ソーリー」
ひー「だからダーも、ライバルを蹴散らしたる!ぐらいの意気込みで頑張ったら、大丈夫やって」
だー「ソウカ。ソウデスネ。ナンカ、ゲンキガデテキマシタ!」
ひー「よし、そしたら気合い入れるために、あれ、やっとくか?」
だー「オー、ソレハ、メイアンデス!」
ひー「よっしゃ行くで。かけ声かけてくれ!」
だー「オーケー。1!2!3!ダーーーー!」
ひー「ハッスル!ハッスル!」
だー「……」
ひー「……」
だー「ヤッパリ、ボクハマイナーオチヤ…」
ひー「いや、違うんやダー、あのな…」
だー「……」
ひー「あ!ダー、今日のランチには焼きそばがあるで!ほら、ダー、ほら…」



■ 球団事務所にて

沼沢球団本部長「なかなかいけるやないか」
御子柴監督付広報「ありがとうございます。業者とは、何度も試作品をやり直させましたから」
沼沢「よし、4月から大々的に売りだそか」
御子柴「赤星ラーメン、今岡つけ麺、金本カルビ丼、矢野シューにつづく第5弾完成ですね」
沼沢「ところでネーミングはどうするんや?」
御子柴「焼きそばダーウィンでええんちゃいますか」
沼沢「容器も考えてあるんか?」
御子柴「ええ。焼きそばUFOの円形の容器を左右に引き伸ばした形にしようと思ってます。ダウィン形(楕円形)なんちゃって・・・(笑)」
沼沢「何がオモロイねん?」
御子柴「・・・それで、あのー本部長、そのことを知ったヒーやんがブーたれてますねん。オレもなにか考えて欲しいって」
沼沢「今から商品化しても来年おるやどうや分からんしなあ。去年の片岡も取りやめて正解やったしなあ」
御子柴「それならダーウィンも同じようなもんでしょ」
沼沢「いや、あいつは大丈夫なんや。実はなあ、選手契約の中で、選手契約解消後も、甲子園球場の売店の売り子で残留するオプション契約交わしとんのや。嫁さん食わさんといかんとかゆうてなあ」
御子柴「・・・」



■ ふたたび甲子園球場にて

檜山は、明らかに焦っていた。

やきそばダーウィン発売――。

ダーウィンが、オープン戦で魅せた快投。
インタビューで「好調の秘訣は“焼きそば”さ」と答え、
それを契機に巻き起こった、全国的な焼きそばブーム。
スーパーでは、連日、焼きそば用の麺が売り切れるという事態が続いた。
利に聡い沼沢本部長が「ダーウィン焼きそば」の発売へと動き出したことは、
ある意味、当然のことであるといえよう。

しかし、檜山にしてみれば、「自分だって」という思いがある。

今季から、0・5インチ長くしたニューバット。
この新兵器が奏功した。
オープン戦、首位打者と本塁打王の二冠。
華麗なる復活を果たした。
「(ライトのポジションのことを)考えたら、(夜も)寝られん」
岡田監督に、そう言わしめるほどの活躍だった。
それなのに…。

檜山にも、反省すべき点がないわけではない。
月刊タイガースのインタビュー。
「僕のパワーの源は焼きめし」と答えた。
そのまま、見出しに使われた。
焼きそばの次が、焼きめし。
安易な二番煎じという感は否めなかった。
また、焼きめしのことを「チャーハン」と呼ぶ地域も多く、
焼きめしというネーミングが、知名度の点で焼きそばに劣ることもネックとなった。

このままでは終われない――。

檜山はいつしか、自らの名を冠した、新たな甲子園名物の発売に、
並々ならぬ意欲をみせるようになっていた。
レギュラー獲りのことなど、もはや、どうでもよくなっていた。

新商品の発売については、御子柴広報を通じて、
沼沢本部長へ打診してもらうよう伝えてある。
檜山には、ある勝算があった。
オープン戦の序盤のことだ。
「今年は、君の復活が優勝のカギを握っている。期待しているよ」
と、沼沢本部長から直々に声をかけてもらった。
その後の活躍は、この言葉があったからこそ、と言っても過言ではない。
沼沢本部長も、喜んでくれているはず。
だからこそ、この企画が本部長の耳に入れば、喜んで商品化してくれるだろう。

焼きめしに代わる商品も、すでに考えてある。
今からでは、もう4月の開幕には間に合わないだろう。
そこを逆手に取る。
夏に向けた新商品。


冷やま中華。


これだ。


冷やま中華はじめました――

売店の前の、長蛇の列が目に浮かぶ。

後は、御子柴さんからの朗報を待つばかりだ。


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