『妄虎千夜一夜物語』

 「妄想は忘れた頃にやってくる」
 「助っ人は忘れたほうが丁度いい」
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シーズンが開幕して、リアルなタイガースの前にしばし妄想は霞んでしまうようです。 でも、そんな時も“妄想菌”はしっかり養分を蓄えているのです。いずれ訪れるかもしれない湿りっぱなしの季節に備えて、じわりじわりと……。

〜妄虎千夜一夜委員会〜

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都市伝説、番外編 おらが村伝説
内閣府 美しい国創り委員会 「おらが村の美しい伝説」係り 様

僕の村に伝わる伝説です。

村の北西に、勝運寺という神社があります。
神武天皇を祀るこの神社は、勝負運の神様として知られていまして、スポーツ選手などが必勝祈願を行う神社として、地元では少し有名です。
その昔、某プロ野球チームのオーナーの何某と言う方が必勝祈願の為にこの神社を参拝されました。
オーナーは、帰り際に神社の境内で一人の少年と出会いました。

平日の昼間にこんな所にいる少年をいぶかしく思ったオーナーは少年に声を掛けます。
「どうしたんや、君学校は?」
「今お昼休みやから。」
「昼休みに、こんなところで一人で何してるんや?」
「・・・・・・・」
「何か言いたくない訳がありそうやけど、おっちゃんに話してみいひんか?」
「何もないわっ!」
少年は、その場から逃げ去りました。

少年の事がどうしても気になったおじさんは、学校に問い合わせました。
すると驚くべき事実がわかりました。
当時、まだ貧しかったこの村では村営放送の受信料支払い拒否と給食費の不払いが横行していました。
村議会はこの風潮に歯止めをかけるべく、受信料支払い拒否には法的措置をも辞さぬ強制徴収を、給食費不払いに関しても、支払わない家庭の子供には給食を与えないという強行策を打ち出し、即座に実施していたのです。
強攻策は功を奏し、支払い拒否、不払いとも激減したのですが、本当に貧しかった少年の家庭ではどうしても給食費が払えず、少年は給食時間になると空腹を抱えたまま神社の境内で時間をつぶしていたのでした。


数日後、少年の元に手紙が来ました。
「若いもんは、しっかり食べなあかんで。一杯食べて元気で強い子になりや。」
その日から少年への給食の支給が再開されたといいます。
「僕は、おじさんの言うとおり給食を残さず食べてきっと元気で強い男になります!どん長おじさん、ありがとうございました。」
少年がおじさんにしたためた手紙が今も神社の資料館に保存されています。
そうです。少年を不憫に思ったオーナーは、少年の給食費の支払いを援助されたのです。
少年は、名前を明かさないオーナーを手紙の中で「どん長おじさん」と呼んでいますが、その言われは謎だそうです。
少年はおじさんの薦めもあって野球を始めました。
どん長おじさんの願いどおり元気で強くなった少年はめきめきと頭角をあらわしていきます。
少年はおじさんのチームに入って活躍すればておじさんへのご恩返しが出来ると思い、中学、高校とさらに努力を重ね、素晴らしい選手に成長しました。
当然、おじさんも彼が自分のチームに入ってくれることを願っていました。
しかし、どん長おじさんからの最後の手紙は二人の夢が叶わなかったことを示しています。
「残念な事だが、君をウチのチームに入団させることは出来なくなってしまった。今日、会議で決まったんや。せっかく頑張ってくれたのに、おじさんも本当に悔しい。会議ではおじさんも、あれは「給食費」や、断じて「栄養費」なんかと違う!て何べんも言うたんやけどな。誤解を招くとか何とか役員皆に言われてな・・そらそうや・・そやけどな・・・・以下解読不可。」

おじさんの善意が何故それほど問題視されたのか。恐らく背後にあった何らかの事件が関与しているとは思われますが、現存する3通の手紙からは、明らかにすることができません。

ですが、ここからが本当の伝説です。

少年はおじさんへの恩返しの夢をその後も諦めずにずっと心に持ち続けていました。
野球の道を閉ざされてからも密かに厳しい練習を続けていたのです。
10数年後の或る日その努力は奇跡的に報われます。

既に中年の域に達していた彼ですが、未だ衰えぬその技量は一人のスカウトの慧眼によって発掘されます。そして彼をドラフトの目玉として、かの球団に入団させたというのです。
その年、40歳の新人投手はシーズンの奪三振記録、勝利数、防御率の3部門の記録をすべて塗り替え、チームの日本一に大きく貢献したと伝えられています。

「伝えられている」と言いますのは、不思議な事にその選手はそのシーズンが終わると球界から忽然と姿を消し、彼の残した偉大な記録もすべて抹消されたからなのです。
その年のプロ野球界は、まだ革命前夜の悪しき時代。
魑魅魍魎、裏金、黒幕跋扈の時代です。
何かの事件の隠蔽工作の犠牲になったのであろうと推察されていますが、真相は未だに藪の中です。

しかし、記録は消し去られても、彼の大活躍の記憶は村人の心にいつまでも残り、ケンちゃんと呼ばれていた少年と彼の背番号91は、伝説として未だにこの村に語り継がれているのです。
僕の村はまだそれほど豊かではありませんが、子供は皆健康で明るく、またプロ野球選手輩出日本一の座を一度も他に譲ってはおりません。ケンちゃん伝説の賜物です。
もし僕の村が、「美しい伝説」大賞を受賞したら、僕達はその賞金でケンちゃんの像を建てようと計画しています。


                 てんのじ村  てんのじ農業高校三年 中島 拓也

ちなみに、芥川賞候補にもなったベストセラー小説「神様がくれた背番号」の主人公のモデルはこの少年だと言われています。
| tacoco | 妄想 | comments(1) | trackbacks(0) |
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Ryuhey (2007/03/22 11:16 AM)
すげー!
外伝が産まれるなんざ、俺も一任前??
tacocoさんありがとう!かっこええ〜www









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